ウチナーの絆継ぐ ブラジル県人移民110周年 沖縄から訪問団 式典やパレード 


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県人移民110周年記念式典であいさつを述べる富川盛武副知事(中央)ら=5日、ブラジルの沖縄文化センター(沖縄ツーリスト提供)

 ブラジル沖縄県人移民110周年記念式典(ブラジル沖縄県人会主催)が5日、ブラジル・ジアデマ市の沖縄文化センターで開かれた。富川盛武副知事ら、沖縄からの訪問団も参加した。参加者は1908年に「笠戸丸」に乗ってブラジルに渡った移民1世らの苦難の歴史を語り継ぎ、ウチナーンチュ同士の結び付きをさらに深めていくことを確認した。先人の功績をしのぶ慰霊法要や祝賀パレード、県人高齢者らに対する感謝状贈呈式も開かれた。移民110周年記念式典は8日にアルゼンチン、12日にボリビアでも開かれる。

 県などによると、式典で富川副知事は「ブラジルでの県人の活躍は県民にとって大きな誇りだ。110周年を機に次世代への沖縄文化継承、世代や地域を超えたネットワークの構築により、県系人のますます活発な活動に期待する」という翁長雄志知事のメッセージを伝えた。

 3日にサンパウロ州議会で開かれた表彰式で、県人社会の発展や沖縄とブラジルの交流に尽力した功労者に県が感謝状を贈った。90歳以上の高齢者も表彰された。表彰された県人を代表し、沖縄県人会長や沖縄文化センター理事長などを歴任した山城勇氏があいさつした。

 ブラジル沖縄県人会の島袋栄喜会長は「現在の県人社会は先人たちの教え、人間愛と相互扶助の精神、祖先や文化を大切にするウチナーンチュの心に支えられている」と述べた。

 4日には前夜祭パレードがあり、多くの県系人らが琉装などで参加した。サンパウロ市ビラ・カロン地区では、第16回ビラ・カロンオキナワ祭も開かれ、県系人だけでなく地域の人々も訪れた。5日午後(日本時間6日)には祝賀芸能祭も開かれる。