国、個別補償「できない」 新基地建設 辺野古区に伝達


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辺野古区

 【辺野古問題取材班】沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、建設予定地に隣接する辺野古区民への個別補償について、沖縄防衛局が「実施できない」と辺野古区側に伝えていたことが10日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。防衛局は個別補償の代替施策を検討している。沖縄防衛局は取材に対し、詳細について答えを控えるとした上で「一般論として、辺野古区をはじめとする久辺三区の住民への補償について、実質的に区民に還元するような代替的方策を検討している」とした。

 辺野古区は新基地建設を条件付きで容認するにあたり、区民への個別補償を求めてきた。2014年9月には豊原区、久志区と共に政府に個別補償などを求める要望書も提出している。新基地について豊原区は条件付きで容認しており、久志区は反対している。辺野古区行政委員の一人は個別補償がないことを認め「個別補償ができる法律的根拠がない。現実的に考えたら難しいことだ」と話した。

 個別補償がないことなどについて辺野古区長・行政委員から区民への説明はまだない。区民の中には、補償されることを期待して新基地建設反対から容認に転じた人も多い。防衛局の代替施策の内容によっては区民から反発が出ることも予想される。辺野古区の50代男性は「個別補償がなかったらみんな新基地に反対する。それなりの振興策を求めないといけない」と話した。