沖縄・名護に「古酒の郷」を 市民有志ら「仕次ぎ」継承訴え


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渡具知武豊市長(左から2人目)に古酒の魅力を発信する施設「やんばる泡盛100年古酒の郷」の設置を要請した山原泡盛古酒文化の会の安次富洋代表(左から3人目)ら=名護市役所

 【名護】山原島酒之会や名護市の有志らでつくる「山原泡盛古酒文化の会」(安次富洋代表)はこのほど、名護市役所に渡具知武豊市長を訪ね、古酒の魅力を発信する施設「やんばる泡盛100年古酒(クース)の郷(さと)」を、市の事業として市内に設置するよう要請した。

 「古酒文化の会」の提案では、施設内に古酒に関連する資料館、売店、レストラン、古酒蔵などを設置。施設内で古酒を育て、古酒を味わうことができる施設を構想している。

 同会の渡具知豊さんは「古酒を育てる『仕次ぎ』は、シェリー酒と泡盛にしかない考え方で、沖縄が誇るべき文化だ。古酒が楽しめる場所があれば、多くの人が訪れるはずだ」と話す。

 同会は、2020年の市制50周年の記念事業として「100年古酒の源つくりプロジェクト」も提案した。20年に、市内3酒造所の泡盛を甕(かめ)に詰め、「仕次ぎ」をしながら100年古酒に育てる内容だ。

 島酒之会は「すべての家庭の床の間に古酒甕を」として「仕次ぎ」を広めている。島酒之会の会長でもある安次富代表は「安定して継続的に古酒を育てる場所を市に造ってほしい。古酒の郷ができれば、県民や観光客が集まる場所になるはずだ」と話した。

 渡具知市長は「市として検討していきたい」と応えた。