「地方自治を踏みにじった」 沖縄県内研究者67人 防衛局の“暴挙”批判


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国への抗議声明を発表した(左から)亀山統一氏、宮城恵美子氏、我部政明氏、高良鉄美氏、徳田博人氏=30日、県庁

 沖縄防衛局が埋め立て承認撤回の執行停止を国土交通相に申し立てたことに関し、琉球大の徳田博人教授や我部政明教授ら県内の研究者有志5人が30日、県庁で会見し「防衛局の行為は憲法の保障する民主的地方自治を踏みにじる暴挙だ」と批判する声明を発表した。声明には琉球大を含め県内の法学や社会学、自然科学の大学教員や研究者67人が名を連ねた。

 有志は沖縄防衛局を訪れて声明文を手渡し、執行停止申し立てを取り下げるよう求めた。国交相が同日、執行停止を決定したことを受けて「全く不当で極めて遺憾」と糾弾する文書も併せて提出した。

 声明では、国の機関である防衛局が国民の権利救済が目的の行政不服審査法を使って県の処分を覆そうとすることは「制度的乱用であり、法治国家として絶対に許されない行為だ」と指摘。閣内一致を求められる国交相が審査することから「第三者性や中立性、公平性から問題がある。必ず申し立てが通る仕組みだ」とし、「都道府県知事が行った処分を政府が必ず覆せることになり、憲法の柱の一つである地方自治を国の従属下に置く暴挙だ」と非難した。

 琉球大農学部の亀山統一助教は「知事選ではっきり示された民意を国がここまで露骨に踏みにじることに、研究者として黙っているわけにはいかない」と話した。26日には全国の行政法研究者の有志110人が連名で同様の声明を発表している。