年内復旧めど立たず 本部港塩川地区 町「国への許可無理」


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台風で破損したとみられる岸壁=2日、本部港塩川地区

 【本部】沖縄県本部町が辺野古新基地への土砂搬出に伴う岸壁使用許可申請を不受理にした本部港塩川地区では2日、岸壁の複数箇所で台風の影響とみられる損傷が確認された。コンクリートが剥がれて陥没し、砂利が露出している部分もあった。町幹部は「年内の復旧は難しい」として復旧には数カ月かかるとの見方を示し、土砂搬出への影響は長引きそうだ。

 塩川地区では、9月下旬の台風24号の接近から1カ月以上たっても港の被害が残り、六つある岸壁のうち三つが破損して使用できない状態になっている。今回の岸壁使用許可申請不受理について平良武康町長は「担当課と県の職員らが、現場の状況を見て判断した」と強調した。

 埋め立てに使用する土砂などを搬出していた業者から1日に使用許可申請があった際、業者側は「被災している岸壁でも使わせてほしい」と求めたという。だが町側は「新規受け入れはしない」という方針を固めていた上、破損岸壁使用を認めた場合の被害拡大や修復費算定への影響などの懸念があって許可しなかった。

 現在、使用可能な三つの護岸も新基地建設工事以外で使われている。町によると、同地区ではすでに45件の岸壁使用の許可が下りているという。町は「これ以上は許可できない状況だ」と改めて説明した。