名護(女子)、コザ(男子)都大路へ 沖縄県高校駅伝


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 沖縄県高校総合体育大会の駅伝(男子第66回・女子第36回)は2日、今帰仁村運動公園付帯公認マラソンコース(男子42・195キロ、女子21・0975キロ)で行い、女子は名護が1時間18分32秒で2年連続8回目、男子は2時間19分2秒でコザが2年ぶり8回目の頂点に立った。3区途中までトップだった北山のほか名護、宜野湾は途中棄権となった。優勝した両校は全国大会(12月23日、京都府西京極陸上競技場発着)への出場権を獲得し、男女上位3位までは全九州大会(17~18日、福岡県)に派遣される。

◆名護 圧倒的強さで連覇/競い合い、雪辱期す

力走しトップでたすきをつなぐ名護の伊野波理桜(左)と座覇蘭=2日、今帰仁村与那嶺の第1中継所(中川大祐撮影)

 昨年8年ぶりに頂点に立った名護が、今大会は1区から独走した。首位を一度も譲らず圧倒的な強さでの2連覇。座覇蘭主将は「みんなで優勝という形につなげられた。全国大会につなげられる」と喜んだ。

 最長の1区(6キロ)は1500メートルと3000メートルで、今季県内ランク1位の伊野波理桜が快走した。3キロすぎの上り坂で他の選手が次第にペースを落とす中でも力強い走りで約30秒差をつけて、座覇へたすきを渡す。

 2区以降も粘り強く走り抜けた。座覇は追い風を味方に得意の下り坂でペースを上げて、後半の上り坂では我慢のレースで3区・比嘉みゆへ託す。比嘉は折り返しで追い風が向かい風となるも、次第にピッチを上げ、4区・渡慶次日菜は強い向かい風に体勢を前かがみにし、腕を大きく振ることを意識した。最終5区の大城真歩は仲間がつくったリードを保ち、ゴールテープを切った。

 部員8人のレベルは僅差で、日頃から競い合いながらタイムを伸ばしている。一方、目標としていた昨年の都大路のタイムには届かず、反省点も残った。エースの伊野波は「県でトップでも九州、全国ではまだまだ。挑戦者の気持ちを忘れずにどれだけ食らい付いていくかだ」とリベンジの全国舞台に照準を合わせる。 (屋嘉部長将)

◆コザ 故障明け山城殊勲/28秒差逆転、トップに

首位に立った3区の山城弘弐(左)からたすきを受け取り走り出す4区の饒平名寛弥=2日、今帰仁村総合運動公園付帯マラソンコース(屋嘉部長将撮影)

 男子はリードされていたコザが、故障明けの3区・山城弘弐で首位に立つと、その後は全員の力走で後続を突き放した。2年ぶりの頂点に、殊勲者の山城は「(自分自身が)ここまで来るとは思わなかった。想像以上でした」と走られない期間もあったつらさを乗り越えた快走に思わず、頬が緩んだ。

 1区・金城岳が1位と11秒差の3位で、2区・知念凜斗にたすきを渡すと知念は順位を上げた。

 2位でたすきを受け取った山城の1位との差は28秒。自分のペースを心掛け、力を抜いたフォームで追い上げる。残り3キロを切ったところで逆転し、その後も後ろを振り向かずただ前を見て走り続けた。

 山城から「勝て」と背中を押されてスタートした4区・饒平名寛弥以降はリードを保ち、5区・金畑怜穏、6区・仲宗根良真とつないだ。最後はアンカーの7区・嘉陽英斗が保護者や先回りしていた仲間のいるゴールへ飛び込んだ。

 県高校総体で足の甲を骨折し、8月下旬まで走ることのできなかった山城。最初は10分間走るのもきつかったが、「走りたい」気持ちを抑え、焦らずに徐々に練習量を増やしていった。都大路に向け、「全国でも自分の走りができるように県外勢にしっかりついていけるようにしたい」と、気負いのないレースで挑む。
 (屋嘉部長将)