【東京】「官房長官の認識は間違っていると思う」―。玄葉光一郎元外相(無所属)は14日の衆院外務委員会で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設と在沖海兵隊のグアム移転が「結果的にリンクしている」との菅義偉官房長官の発言を取り上げ、こう述べた。自身が外相として日米交渉をまとめた経緯に触れ、菅氏の認識を批判した。
日米は民主党政権下の2012年4月に辺野古移設をグアム移転と切り離して進めることで合意した。一方、菅氏は今年10月の会見で、民主党政権時に米議会でグアム移転予算が凍結され、政権交代を経て安倍政権で辺野古移設を進める姿勢を示したことで凍結が解除されたとして、双方が「結果的にリンクしている」との認識を示した。
玄葉氏は、予算凍結が解除されなかったのは米政府がグアム移転計画を米議会に提出していなかったためで、米国内の事情によるものだったと説明。「(米政府が議会に移転計画を)出したから資金の凍結解除がなされたのであり、官房長官の認識は間違っている」と指摘した。その上で、辺野古移設が進まなければグアム移転も遅れるとの菅氏の認識が「まるで沖縄を恫喝(どうかつ)するかのように聞こえてしまう」と付け加えた。