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[ルポ]国頭宜名真のフーヌイユ漁 伝統漁法で連続ヒット 25日まつりへ地域一丸

フーヌイユを釣り上げた玉村文雄さん=15日午前8時36分、国頭村宜名真沖

 【国頭】国頭村宜名真の特産で、日干しの光景が秋の風物詩となっている「フーヌイユ」(シイラ、方言名マンビカー)。25日午前10時からは宜名真漁港で「フーヌイユまつり」が開かれる。山入端立全区長は「この時期は脂がのって珍味だ。フーヌイユを食べて、多くの人に宜名真を知ってほしい」と意気込む。人口約100人の集落が、まつりのため一丸となって準備にいそしむ。フーヌイユとはどんな魚なのか。地元の漁師に同行した。 (阪口彩子)

 小雨が降る夜明け前、次々と宜名真漁港を出発する漁船。漁師歴30年以上の玉村文雄さん(63)が「雨も連れてきたのか」と苦笑いする。宜名真では毎年、9月から12月までの間はフーヌイユ漁がピークを迎える。宜名真ではシイラをフーヌイユ(運のある魚)と呼ぶ。釣れないと「運がない」ということらしい。不安を抱えながらも、パヤオ(浮魚礁)を目指して船は出航した。


300年以上前から伝わる伝統漁法で釣り上げたフーヌイユ

 パヤオを使った漁は、宜名真に300年以上前から伝わる伝統漁法だ。半農半漁で暮らしてきた宜名真の先人らは、農作を終えたこの時期、山から竹を切り出し、小魚が集まるパヤオを海に浮かべ漁に出た。釣り上げたフーヌイユは塩漬けにし保存食として地域に伝わってきた。

 漁は、ソデイカを餌に釣り糸を流し、船を走らせながら釣るトローリングだ。七つあるパヤオの中から一つを選ぶが、最初に選ぶパヤオの見定めも運があるか、漁師の腕の見せどころだそうだ。玉村さんは「1匹もかからずに別のパヤオに移動したら、その次に来た船がどかんと大漁になることもある」と話す。

 朝から釣れないまま時間が過ぎた。2時間ほどがたとうとした時、玉村さんが「おっ、来た」と大きな声を出す。海に目をやると、一本釣り用の糸を垂らした方角でフーヌイユが跳ねる。糸をたぐり寄せると、だんだんその姿がはっきり見えてきた。


水揚げされたフーヌイユは解体班が解体。区民総出でまつりに向けた準備にいそしむ

 「あんたもやりなさい」と、言われるがまま釣り糸を引っ張るが、跳ねる力が強く、糸が爪に食い込む。釣り上げたフーヌイユは甲板にたたきつけられ、ぴちぴちと勢いよく跳ねた。約3キロは小さい方だが、20キロの大物になると、女性では引き上げられないそうだ。その後、どんどん釣れ出す。一度ヒットすると、そのまま続くのがフーヌイユ漁の特徴だ。

 港に戻ると、解体班が待ちかねていた。ほかの漁師が釣ったものも全て解体し、まつりに出す。山入端区長も解体作業に加わり、魚をさばいていた。「もう区民総出で準備ですよ」と笑う。

 昨年は午前中で売り切れになったため、ことしは水揚げ量の目標を昨年よりも高い3トンに設定した。遊覧船も出て、パヤオを見ることもできる。

 フーヌイユまつりの問い合わせは宜名真公民館(電話)0980(41)8532。



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