「承認撤回停止は違法」 辺野古住民ら今月末にも国提訴


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 沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、国土交通相が県による埋め立て承認撤回の効力を止めた決定は違法だとして、新基地建設に反対する名護市民らは9日までに、国を相手に決定の取り消しなどを求める抗告訴訟を起こすことを決めた。住民を支援する弁護士によると、辺野古の住民など市民らが原告団となり、今月末ごろにも那覇地裁に提訴する。

 県は昨年8月、軟弱地盤が存在することなどを理由に前知事の埋め立て承認を撤回したが、国交相が同10月、行政不服審査法に基づく沖縄防衛局の申し立てを受け、承認撤回の執行停止を決めた。

 住民側は国民の権利利益の救済を図る行政不服審査法上、国の機関である沖縄防衛局は適用除外となる「固有の資格」に当たり、同法を利用できないと指摘する。その上で沖縄防衛局が「私人」と同じ立場と主張して申し立て、同じ内閣に属する国交相が認めることは同法に反していると訴える。裁判所が請求を認めた場合、撤回の効力が復活するため、辺野古の工事は再び止まる。

 名護市民や弁護士らは8日、市内で会合を開き提訴することを確認した。出席した白充弁護士は「沖縄防衛局は私人の立場にはなり得ない。前回の承認取り消しの時も国は同じ手法を使い問題が指摘されたが、県と国の和解成立で解決しないままとなった。今回の訴訟で国の違法性を明らかにしたい」と強調した。