障がい者の旅行支援や在宅支援を行う一般社団法人Kukuru(くくる)は7月、人工呼吸器の装着や痰(たん)の吸引など、日常的なケアが必要な障がい児者とその家族が、ケアを受けながら地域の人たちと交流できる支援施設「Kukuru+(プラス)」を那覇市真地に開設する。代表理事の鈴木恵さん(50)=那覇市=は「障がい者やその家族は、地域社会との接点が薄くなりがちだ。さまざまな人が集える場所にしたい」と思いを込める。
同法人は、障がい者の家族支援を目的に2010年に設立。県内を訪れる障がいのある旅行者に入浴介助や外出介護サービスなどの支援を提供している。障がい児者の在宅支援として、自宅や外出先に出向く見守り支援も実施してきた。
県内では医療的ケア児の支援施設が少なく、親と子が互いに依存し、子どもの成長を妨げる原因となっているという。
「Kukuru+」は医療的ケアが必要な子どもたちと家族の自立を目指し、当事者が宿泊できるショートステイ病室や通所者の健康管理を行うクリニックなどの開設を予定している。1階にはカフェや研修室を設け、大学や地域団体と連携した行事も積極的に取り入れていく考えだ。
障がいのある息子の世話と母親の介護経験を持つ鈴木さんは「医療的ケア児は24時間介護が必要で、社会から孤立してしまう親も多い」と指摘し、「親には息抜き、子どもには家族以外の人と触れ合う機会を提供したい。楽しみながら交流し、地域とのつながりが生まれれば」と力を込める。
施設は日本財団の「難病の子どもと家族を支える地域連携ハブ拠点」に認定され、建設費の一部を同財団より助成を受けている。同法人では、残りの建設費や医療機器、リハビリ用品など、開設に必要な資金を募っている。
詳細や公式ページhttp://kukuru-plus.com/から。問い合わせはKukuru☎098(859)8768(午前9時~午後5時)。