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土砂見積もり1社のみ 辺野古新基地工事 単価割高、総工費の77%に

埋め立て区域に広がる土砂=12日27日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で、政府が辺野古沿岸部へ投入している岩ずりの価格が1社だけの見積もりで、1立方メートル当たり1万1290円と算定されたことが18日、分かった。沖縄総合事務局が使用している資材単価と比べて割高になっている。この単価で新基地建設に使われる岩ずり1644万立法メートル分の総額を計算すると約1856億円となり、防衛局が当初の資金計画書で示していた辺野古新基地の総工費約2400億円の約77%に上る。

 さらに今後投入される土砂の7割ほどは県外からの搬出を予定していることから、運搬費によって契約単価はさらに上昇する可能性が高い。

 新基地建設に反対する沖縄平和市民連絡会メンバーで土木技師の北上田毅氏が、情報公開請求で埋め立て工事の特記仕様書や見積もり業務報告書を公表させ、明らかにした。

 防衛省の内規は材料単価の算定は原則3社以上から見積もりを集めると定めている。しかし、防衛局から依頼を受けた調査会社が13社に見積もりを依頼し、回答したのは1社だけだった。12社が応じなかった理由について調査会社の報告書は「大量の石材使用が予定され、自社鉱山単独で対応できない」「対象製品の製造なし」と説明している。

 政府が埋め立て工事を発注した際に付けた特記仕様書によると、防衛局が定めた岩ずりの1立方メートル当たりの単価1万1290円は材料費5370円、積み込みや運搬に5920円の内訳になっている。

 沖縄総合事務局が基準とする単価一覧では、岩ずりの運搬費込みの単価は那覇地区で3550円、中部地区で2900円と定めている。那覇空港の第2滑走路建設事業は大規模であるため、総合事務局は基準単価は使わずに特別の見積もりを取って単価を設定したが、運搬費込みで7250円だった。

 沖縄防衛局は琉球新報の取材に「資材価格調査を契約し、信頼できる調査会社が公正に実施した」と説明した。

 これに対し北上田氏は「たった1社に任せきりの土砂価格設定は許されない。実際に投入されている土砂のほとんどは赤土を含む粘土で、むしろ処分費用を出す必要がある粗悪な土砂だ」と指摘した。