民衆の闘い 刻み伝える 「不屈館」6周年で辺野古展


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辺野古新基地建設を巡る闘いを記録した展示会=1日、那覇市若狭の不屈館

 米統治下で圧政と闘った瀬長亀次郎さん(1907―2001年)が残した資料などを展示する「不屈館」(那覇市若狭)が1日、13年3月の開館から丸6年を迎えた。「民衆の闘いを伝える資料館」として定着し、2月末までに累計約3万5千人が来館。内村千尋館長(73)は「抑圧の中で権利を勝ち取ってきた戦後史を次世代につなげたい」と話し、展示を強化する方針だ。

 不屈館は、那覇市長や衆院議員を務めた瀬長さんの自筆原稿や蔵書、愛用品を展示。県内外から月400~500人が来館し、修学旅行での見学申し込みも増えているという。

 1日から企画展「辺野古 闘いの歩み展」が始まった。報道カメラマンの山城博明さん(69)=南風原町=が05年以降、名護市辺野古などで撮影した写真56点のほか、関連する新聞記事を展示している。京都市から訪れた古屋慶太さん(19)=京都外国語大1年=は「辺野古が沖縄戦から続いている差別の問題だと分かった」と話した。

 瀬長さんの次女の内村館長は「『屈しない』という亀次郎の魂は、今も県民に生きている。今後は辺野古新基地関連の企画・展示に力を入れて、建設を止めたい」と力を込めた。

 同館は開館6周年企画として、3日午後2時から、辺野古抗議船の船長、金井創さんの講演会を開く。3日までは入館料300円(通常500円)で、来館者にはクリアファイルやはがきなどの記念品を贈る。