弾薬庫近く危険性存在 国設計に疑問符 辺野古・活断層存在明確に


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、立石雅昭新潟大名誉教授(地質学)ら専門家十数人の調査団が1日から4日間、建設現場周辺の地質を調査した結果、活断層がある可能性が高いことが分かった。米軍キャンプ・シュワブを挟んで東側の大浦・安部地域と西側の辺野古・豊原地域の地層が異なっていることや地形の隆起状況から、両地域の境に活断層がある可能性が高いことも判明した。

<識者談話>立石雅昭氏(新潟大名誉教授)

辺野古新基地建設現場付近にある活断層について語る立石雅昭新潟大名誉教授=4日、名護市の琉球新報社北部支社

 調査では直接確認できなかったが(活断層である)可能性は強まった。(米軍キャンプ・シュワブの)断層を挟み、西(辺野古漁港側)と東(大浦湾側)で異なる堆積物があれば、断層があることになるため、堆積物と、その堆積時代を調べた。その結果、西で確認された堆積物が東では確認できなかった。その境界が断層になっていると考えられる。

 川による浸食の程度などから、両地域の地形は少なくとも40万年前より新しいものだ。国の地震調査研究推進本部の基準では、地震を起こし得る活断層を40万年前以降に動いているものとする。両地域の間にあるとみられる断層は、国の基準に照らせば活断層といえる。

 原発建設の際は活断層の基準を12~13万年前としている。原発の場合、敷地内に活断層があると建設できない。そのため12~13万年よりも新しいのか、古いのかが焦点になる。

 一方、基地建設では活断層に関する基準はない。しかし活断層とみられる場所の近くには辺野古弾薬庫もある。核兵器があるかないかも分からない状況で、基地を造ることに危険性を感じる。

 科学的にきっちり安全なものを造ることが原則だ。なぜきちんと調査をして設計しないのか疑問だ。

 地域住民の命が脅かされる事態になるならば、何のための基地なのかと疑問を抱く。安全性を確かめた上で「こういう目的のために造る」というのを国民的、県民的合意を得てやるのが基本だ。
 (地質学)