沖縄戦で犠牲になった県内旧制師範学校・中等学校21校の学徒の人数を記した説明板が糸満市摩文仁の平和祈念公園内に完成し、14日に除幕された。10代の学徒が戦場に駆り出され、多くが犠牲となった事実を伝える「全学徒隊の碑」の横に設置した。21校の元生徒らでつくる「元全学徒の会」のメンバーらは、亡き学友をしのび「戦争の実相を伝える指標になる」と次世代への継承に思いを新たにした。
説明板には同会の調査によって各校の戦没者数がそれぞれ記されており、21校で計1984人に上る。縦約90センチ、横約120センチで、約2メートルの2本の柱に支えられている。「学徒の戦没者数を記し、恒久平和を祈念する」などと記した。
除幕式には約100人が参加した。平和宣言で同会共同代表の與座章健さん(90)は「(説明板は)沖縄戦の実相を如実に伝える効果的な指標となり、恒久平和のとりでとなるだろう」と完成を喜び「戦争の惨劇を二度と繰り返してはならない」と述べた。
県子ども生活福祉部の大城玲子部長は「多くの方々の目に留まり、平和を希求する沖縄の心を深く理解する契機となることを切に願う」とする玉城デニー知事のあいさつを代読した。
県は2017年3月14日に平和祈念公園内に「全学徒隊の碑」を建てた。石碑には21校の名前などが刻まれているが、犠牲者数には触れていない。21校の元生徒が18年4月に「元全学徒の会」を結成し、犠牲者数も記すよう県に求めていた。