「島野菜パン+スープ」「石垣島ヨーグルト」 琉大、長寿復活へ開発 知的資産活用 試作品を発表


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琉球大学の知的資源と企業の協力で開発された「パン+スープセット」とヨーグルト

 琉球大学は2018年度「琉球大学ブランド」として、島野菜の摂取向上と減塩を目指した「食べて学べる島野菜パン+スープ」と、石垣島の自然界から選んだ乳酸菌の複合発酵による「石垣島ジャージー牧場ヨーグルト」を開発した。25日、開発に関わった教員や企業、学生らによる発表会と試作品体験会が開かれた。

 琉大では、同大教員らが持つ知的資産の活用と地域産業の活性化を目的に、16年度にブランド商品開発事業を始めた。商品試作などの経費も300万~500万円を支援し、これまでに泡盛やカレー、精油、化粧水の4品を開発し、商品化されたものもある。本年度の支援額は500万円。

「琉球大学ブランド」を開発した大学と企業の関係者ら=25日、西原町の琉球大学

 パンとスープセットは地域連携推進機構の等々力英美客員准教授らがメニューを開発し、オキコ株式会社と沖縄ハム総合食品株式会社が製造した。等々力客員准教授は「味覚が固まっていない幼児期に減塩や野菜摂取の習慣を付け、健康長寿の復活につなげたい」と話し、幼稚園や子ども園での導入を期待した。

 爽やかな香りとこくが特徴のヨーグルトは、「石垣島ミルククラウン」と協力して石垣島の植物や牛乳などから採取した500種類以上のうち4種の菌を選抜して製造した。開発に関わった農学研究科修士学生の熊谷拓哉さんは「凝固時間がなかなか定まらず何度も実験を繰り返した。完成した時は達成感でいっぱいだった」と語った。