政治

きょうから土砂搬出 本部港塩川地区 移設工事加速狙い

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、政府は25日、本部港塩川地区で埋め立て用土砂を搬出する作業を始める。台風で破損し使えなくなっていたが、3月末に修復工事が終了していた。現在使っている琉球セメントの桟橋(名護市安和)と並行して土砂を搬出し、工事を加速させる狙いがある。

 関係者によると、25日、民間警備会社を通じて警備員を緊急で招集している。27日からの大型連休期間は工事は止まるが、沖縄防衛局は5月の連休明けから工事を本格化させる見通しだ。

 政府は当初、辺野古新基地建設に使う土砂を本部港から搬出する計画だった。昨年7月にはいったん土砂を積み込んだが、県による埋め立て承認撤回で作業ができなくなって下ろしていた。同9月の台風で本部港岸壁が破損し、使えなくなったため、土砂投入には名護市安和にある琉球セメントの桟橋を利用していた。3月末の本部港復旧完了に伴い、業者は本部町から使用許可を得た。

 現在、辺野古新基地建設現場に土砂を陸揚げする場所は1カ所のみで、搬入できる土砂の量は限定的だ。ただ今年に入って着工した新たな護岸を陸揚げ場所として追加し、搬入量を増やすとみられる。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、沖縄防衛局が本部港塩川地区から土砂搬出を再開するのは、搬出作業を加速することが狙いとみられる。防衛局は名護市安和の琉球セメント桟橋でも搬出を続けている。搬出場所が2カ所になることで搬出量は増え、辺野古側の埋め立ても加速する見通しだ。一方で基地建設現場では土砂の陸揚げ地点は現在1カ所のみで、造成中の新たな陸揚げ地点近くには軟弱地盤もある。使用する土砂の8割を占める大浦湾側の埋め立ては見通しが立たないままで、既成事実化を急ぐ政府の姿勢に批判の声も上がりそうだ。

 大浦湾に運搬船で運ばれた土砂は現在、陸上部に近い「K9護岸」だけを利用して陸揚げされる。工事の監視を続ける市民らによると、陸揚げされる1日当たりの土砂は運搬船の2隻分ほどとみられる。防衛局は陸揚げ地点を増やすため「K8護岸」造成を進める。

 2018年9月以降は塩川地区から土砂や砕石が搬出されておらず、同月に岸壁の使用許可も切れた。11月に土砂搬出の関連業者が岸壁使用許可を申請した際、本部町は9月の台風24号による岸壁破損を理由に認めなかった。しかし県による岸壁の補修が今年3月に完了し、申請に対し使用を許可していた。

 町は現在、1カ月単位で岸壁使用許可を出している。既に申請中の5月分も許可する予定だ。6月以降も運搬業者は新たな申請が必要だが、港の運用や環境への影響に問題ないと町が判断すれば、許可される見通しだ。
 (塚崎昇平)