平成は県出身の女優が飛躍した時代だった。
仲間由紀恵さん(浦添市出身)は一般公募のオーディションを勝ち抜き、1994(平成6)年に沖縄のエリアコードドラマ「青い夏」でデビューした。声優や歌手など多彩な経験を積み、2000年に放送されたテレビ朝日のドラマ「TRICK」でブレーク。その後も日本テレビの「ごくせん」、NHK大河ドラマ「功名が辻」など数々のヒット作に主演した。
国民的ヒロインを生み出すNHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)でも、平成の59作品中、2作品で県出身の女優が主演を務めた。01年度前期の「ちゅらさん」は国仲涼子さん(那覇市出身)が県出身として初の主演を射止めた。作品は大ヒットとなり、放送終了後も続編が07年にかけて第4弾まで作られた。07年度前期「どんど晴れ」は比嘉愛未さん(うるま市出身)が主演した。
新垣結衣さん(那覇市出身)は06年に放送された「ポッキー」のCMで人気に火が付いた。今も勢いは衰えず、「ガッキー」の愛称で親しまれている。ドラマや映画、CMで次々と話題作に出演し、時代を代表する女優となった。
ダンスボーカルユニット「Folder」の一員として1997年にデビューした満島ひかりさん(沖縄市出身)は女優に転身後、実力派としての地位を築いた。黒島結菜さん(糸満市出身)もドラマで主演するなど活躍している。
比嘉さんや新垣さんなど、モデル出身が多いのも県出身女優の特徴。山田優さん(恩納村出身)、二階堂ふみさん(那覇市出身)、黒木メイサさん(名護市出身)らもモデルから活躍の幅を広げた。玉城ティナさん(浦添市出身)らの若手も注目を集めている。
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平成は、音楽、お笑い、テレビなどエンターテインメントの広い分野で「沖縄発」が成功を収めた。県出身者が毎年のように紅白歌合戦に出場し、NHKの朝ドラをはじめとする多くのドラマで主役を演じ、沖縄で生まれた音楽や文化が本土に「沖縄ブーム」を起こした。県に拠点を置く「お笑い集団」の誕生や沖縄発の芸人が、本土とは異なる沖縄の地域性を巧みに笑いに変えるなど、沖縄の魅力が再発見された時代だった。