「国に代替策求める」 区、個別補償で説明 辺野古区民大会


この記事を書いた人 大森 茂夫

 【名護】名護市辺野古区(古波蔵太区長)は28日、辺野古公民館で区民大会を開いた。区側は辺野古新基地建設を巡り、国に求めていた個別補償について昨年8月、沖縄防衛局が「実施できない」と表明したことについて、区民らに「国に代替策を求めている」と説明した。

 個別補償を国が拒否したことについて区側が区民に説明するのは初めて。個別補償は辺野古区が新基地建設を条件付きで容認するにあたり、実現を求めていた。沖縄防衛局は今年2月までに辺野古区、豊原区、久志区(久辺三区)に対して定住促進や子育て支援などを含む振興策案のたたき台を示していた。

 3月の「久辺三区の振興に関する懇談会」では、久辺三区と国がたたき台の協議を進めることを確認した。要望には個別補償は盛り込まれておらず、地元として断念した形になっていた。

 この日の区民大会では、個別補償を巡る経緯について交渉状況の報告会開催を求める要望が区民から上がった。古波蔵区長は報道陣の取材に「検討しないといけない。行政委員会で検討して必要性があればやる。今日は開催時期は返答できないが、大事なことを区民に報告するのは義務だ」と述べた。

 個別補償を巡って、古波蔵区長は「(国が個別補償の)代替的方策を検討すると言っているので、われわれの要望が実現するよう取り組むだけだ」とした。