プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは15日、2007年のチーム創設以来、キングス一筋で活躍してきた金城茂之が退団すると発表した。
球団によると、金城が出場機会を求めて他チームへの移籍を希望していることから、同日付で自由交渉選手リストへの公示となるという。【琉球新報速報】
金城茂之選手 コメント
この度12年間、お世話になりました琉球ゴールデンキングスを退団します。振り返ると試練の多い12年だったと思います。大学卒業後、進路の決まっていない私を練習生という形から拾っていただき、プロとしての経験を積むチャンスを与えていただきました。空席の目立つアリーナと最下位からのスタートに不安を抱きましたが、2年目からジェフ、マックを中心としたチームに、まだ若い私にプレイタイムを与えていただき、キングスを勝つチームに変化するお手伝いをさせてくれました。
個人的には怪我と戦う日が長くなり、戻ってきてもチームはどんどん前に進んでいき、毎年ついていくのに必死でした。
そんな選手としてギリギリの私を木村社長は叱咤激励し、あえて厳しい言葉で引っ張ってくれ、時には勘違いするほどの激しい言葉と態度を受けましたが、それが今の私の忍耐力となり、我慢できるプレイスタイルになり私自身とても感謝しています。
ファンの皆様にもいつも試合中はもちろん、街で見かけた時、特にケガから復帰に向かう途中の私にも温かい声をかけていただき、励ましを受け、その度にこの声援にいい形で応えたいという気持ちがあり、勝利した時の会場の大歓声、敗北した時の大きな溜め息はこの先私はずっと忘れる事が出来ないと思います。
そんな思い入れのあるキングスを離れるのは簡単ではありませんでしたが、私の中にあるまだ選手としてコート上でプレーをして、所属チームの手助けをしたいという気持ちが抑えきれず退団という決断に至りました。
初めから一緒に働いてる社員の皆さん、今共に働いてる社員のみなさん、多くのボランティアの人達といつまでも共に働きたかったですが、私のワガママで退団しますので、次の場所で今以上の覚悟を持って一選手として努力致します。
最後に木村社長はじめ琉球ゴールデンキングス社員の皆さん、ファンの皆さん12年間お世話になりました。ありがとうございました。
木村達郎代表取締役社長 コメント
ゼロから苦楽を共にした金城選手は、キングスそのものであり、今は言葉に表せない喪失感に襲われています。生来の性格から、どんな時でもひたむきな姿勢でバスケとキングスに向き合ってくれました。その金城選手の1人のプレーヤーとして戦力を超越した存在の大きさを改めて感じずにはいられません。
毎年「次の年も勝てるだろうか、多くの人に来場していただけるだろうか」と不安になりますが、上手くいっている時も、そうでない時も、どんな状況でも必ずキングスに尽くしてくれる金城選手がいたことで、圧倒的な安心感をもたらしてくれていたことを痛感させられます。
今でこそキングスの熱狂的なホームでプレーしたいと多くの選手に思っていただけるだけの雰囲気がありますが、ホームゲーム1試合目を開催する前の段階でキングスにてプレーしたいと思ってくれたこと。そして10連敗や最下位を共に味わったこと。怪我に何度も苦しませてしまいましたが、それがトレーナー、ドクター、トレーニング施設、ケア施設などのチーム環境を向上させ続けなければならないと教えてくれたこと。近年では、実績・能力の高い選手が揃うようになったチームの中でも形は何であれ、とにかく貢献しようとしてくれていたこと。金城選手が経験してきた全ての苦悩は、キングスの成長の源泉となってきました。
とかく1シーズン単位の視点でしか見られないことが多い日々ですが、目の前のシーズンを戦うためにも、長期的な成長の積み重ねが欠かせません。金城選手の長年の献身無くして、現在のキングスには成り得ませんでした。
「しーげー、本当にお疲れ様でした。そして、本当にありがとうございました。」
金城選手の12年間に渡る偉大なる貢献及び功績に対して、これまで琉球ゴールデンキングスに携わった全ての人々の想いを代弁し、最大級の感謝と敬意を込めて御礼を申し上げると共に、新天地での今後の活躍を心より祈念いたします。