辺野古埋め立てで沖縄県の主張が審査対象か議論 係争委、7月23日までに結論


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法と主張している沖縄県の審査申し出について総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」(委員長・富越和厚元東京高裁長官)は20日、初会合を同省で開いた。富越氏は会合後の会見で、県の申し出が審査対象になるかどうか議論する考えを示した。7月23日までに結論を出す。

 委員会は有識者5人で構成し、自治体の行政運営に対する国の関与が違法・不当かどうかを審査する機関。今回とは別に、国交相が埋め立て承認撤回を一時的に止めた「執行停止」を巡っても係争処理委が開かれているが、今年2月に県の申し出を却下した。

 富越氏は20日の会見で、前回の係争処理委と基本的な論点は変わっておらず「従前の議論の蓄積の上で議論をしている」と説明した。一度議論が整理されていることから、係争委が早期に判断を示す可能性もある。

 埋め立て承認撤回を巡っては、行政不服審査法に基づく沖縄防衛局の審査請求を受けて石井啓一国交相が今年4月に撤回を取り消す裁決を下した。県は個人の権利救済を想定する同法を国の機関が利用するのは不適法で、国交相の裁決も国の違法な関与だと訴え係争委に審査を申し出た。県は主張が認められなかった場合には提訴する考え。