沖縄県立中部農林高の3年生8人がこのほど、同校の「沖縄伝統島野菜普及プロジェクト」の一環で「島ヤサイそば」を開発した。29日から毎週水曜、うるま市の福祉事業所「レストランぶどうの木」で販売する。沖縄の伝統的農作物5種を使い、認知度が低い島野菜の普及やうるま市の地域のブランド化を目指す。
材料はノビルやヤマン(山芋)、フーロー豆、ンスナバー、島ラッキョウなど5種類の島野菜を使い、スープは野菜のブイヨンとシイタケと昆布でだしを取った。動物性の食材を使っていないことから、ベジタリアンやヴィーガンなど外国人観光客の食の多様化にも貢献できる。
活動は食品科学科、園芸科学科、熱帯資源科の3年生8人で、3月から取り組みを始めた。調味料の配合の割合を工夫して、植物性由来だけでコクを出すことに成功した。麺は卵の代わりにヤマンを使い、島ラッキョウの葉を刻んで入れることで保存性が高くなり変色を防ぐという。
4月27日に宜野湾市で行われた「ヴィーガン祭り」にも出店し、来場者に試食アンケートを実施した。「コクが足りない」「味が薄い」といった回答を基に、顧問の長間邦和先生など食品科学科の先生から助言を得て改善してきた。
スープを担当する大嶺楓葉さん(17)は「煮干しやカツオを使えないので大変だった。動物性が入っていないのでどうコクを出すか苦労した」と振り返った。
今後は商品化を目指してパッケージデザインなどに取り組む。當間樹琳愛(18)さんは「商品開発を通じて島野菜の認知を高め、島野菜を作る農家さんが増えてほしい」と話した。
(石井恵理奈)