ローソン食品ロス削減の実証実験 きょうから沖縄と愛媛で開始 セブン、ファミマも対策


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 食品の大量廃棄が世界的な問題となる中で、コンビニ業界の対策が活発化している。ローソンは消費期限が近い商品を購入すると100円につき5ポイントを還元する実証実験を、全国に先駆けて沖縄と愛媛で11日に開始する。業界の積極的な取り組みの背景には社会的な意義に加え、食品ロスが減ることで店舗側が負っている廃棄経費も縮減され、競争の激化などに苦しむ店舗オーナーの経営支援につながるとの見通しがある。

 ローソンの竹増貞信社長は、実証実験の開始に向けて10日に那覇市のかりゆしアーバンリゾート・ナハで記者会見に臨んだ。食品ロスの削減について「取り組みで実際に廃棄が減れば、店舗の利益も上がる」と経営上の効果を強調した。

 消費期限を過ぎた弁当やおにぎりは売り上げに計上できないだけでなく、廃棄に要する処分費用が店舗経営に重くのしかかっている。深刻な人手不足で人件費上昇など経営は厳しさを増し、コンビニ業界は過渡期を迎えている。

食品ロス削減の取り組みを発表したローソンの竹増貞信社長(右端)とローソン沖縄の古謝将之社長(左端)、ローソン豊見城真玉橋店の平安香織オーナー(左から2人目)、寄付を受ける県母子寡婦福祉連合会の与那嶺清子会長=10日、那覇市のかりゆしアーバンリゾート・ナハ

 ローソンは、店舗オーナーの裁量で一定の値引き販売を認めるなどの取り組みを進めてきた。11日からの実証実験ではポイント還元の対象商品に専用シールを貼り、一目で分かるようにする。

 7月11日に沖縄に初出店するセブン―イレブンも、ローソンと同様に消費期限が近い商品購入の際のポイント還元を、今秋にも全国で導入する。

 沖縄ファミリーマートはポイント還元を導入していないが、クリスマスケーキなど季節限定商品の完全予約生産や、長期保存が可能な冷凍食品の品目を増やすといった取り組みを進めている。
 ローソンは、店舗オーナーの裁量で一定の値引き販売を認めるなどの取り組みを進めてきた。11日からの実証実験ではポイント還元の対象商品に専用シールを貼り、一目で分かるようにする。

 7月11日に沖縄に初出店するセブン―イレブンも、ローソンと同様に消費期限が近い商品購入の際のポイント還元を、今秋にも全国で導入する。

 沖縄ファミリーマートはポイント還元を導入していないが、クリスマスケーキなど季節限定商品の完全予約生産や、長期保存が可能な冷凍食品の品目を増やすといった取り組みを進めている。

 ローソンではポイント還元に加え、売上総額の5%を子どもの貧困対策などに活用する。竹増社長は「食料廃棄はコンビニ業界に限らず、全国、世界で大きな問題となっている。多くの食べ物が捨てられる中、十分な食事が取れない子どもたちがいるのは大きな矛盾だ」と述べ、「廃棄減で生じた売り上げの一部を子どもたちの支援に充てる。効果が確認できれば全国での実施を検討する」と沖縄で実証を始める背景を語った。