「降りるのもちゅうちょしてしまう」「1時間遅れる」。今年3月の「ダイヤ改正」で減便となった路線バスの乗客は悲鳴を上げる。今月中に別の2社が新たに減便する計画で、2019年に入ってからは県内路線バス4社合計で18路線最大86便(片道換算)が減る計算となる。「人手不足が主な原因」(バス会社関係者)とされる中、乗客からは生活への影響を懸念する声が上がる。
12日午後5時すぎ、帰宅ラッシュで路線ごとのバス乗り場に列ができた那覇バスターミナル。「現状をご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます」。現状の運行ダイヤを維持するために、十分な運転手を確保できないとして、東陽バスが各乗り場に張り紙を掲示していた。
驚いた様子で張り紙を確認していた30番(泡瀬東線)を利用する西原町の女性(38)は「通勤でいつも使っている。5分の差でも混み具合が違う。子どもの送迎もあるので調整が必要になるかもしれない」と気をもんだ。
平日は現状のままだが、土日祝日は減便となる38番(志喜屋線)を通勤で利用する与那原町の謝敷真樹子さん(28)は「(理由が)運転手がいないということだからしょうがないのかな」と一定の理解を示す。一方、利用路線の便数が少ないとして「これ以上減ったら不便かもしれない」と不安視した。
既に減便となった路線利用者は“影響”が出ていると訴える。今年3月、平日8便、土日祝日2便減った琉球バス交通56番(浦添線)を利用する浦添市の男性(45)は「ダイヤ改正だけで、減便とは思わなかった。その頃から混雑が激しい。人をかき分けないと動けなくて降りるのもちゅうちょしてしまう。混んでいる時は1時間近く遅れる。どうにかしてほしい」と困惑の表情で話した。