「自分ならどうする?」 沖縄・南風原小でガマを題材に体験型の平和学習


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沖縄戦中の二つのガマを題材にした授業で、自分ならどう行動するかを考える児童=11日、南風原小学校

 南風原小学校(與座衛校長)の屋良真弓教諭が担任を務める5年2組で11日、平和学習が開かれ、児童35人がチビチリガマとシムクガマを題材にした参加型授業を通し、戦争と平和について学んだ。

 授業は、沖縄戦中に二つのガマで米軍による投降の呼び掛けのあった日をテーマに、自分ならどのような行動をするのか児童に考えてもらい行動するという追体験型のワークショップとなった。

 読谷村のシムクガマで壕にいた約千人に投降を呼び掛けた住民の一人、比嘉平治さんは屋良教諭の祖母の祖父だ。授業では比嘉さんが投降のために住人を一人ずつ説得したことを紹介した。シムクガマで住民の犠牲者は出なかった。

 投降の呼び掛けに自分ならどう応じるかについて問われた児童からは「壕から出ずに待つ」「呼び掛け通り助かるかもしれないから外へ出てみる」などの答えが出た。

 多くの答えの中で共通していたことは「命を守ること」と導き出した児童らは、その思いこそが平和へとつながるのではないか、と考察した。

 感想で新垣莉音さん(10)は「比嘉平治さんの説得はとても勇気のある行動だと思った」、許田重皓さん(10)は「僕たちも平和のためにこの歴史を伝えていかなければならない」と話した。

 屋良教諭は、子どもたちに沖縄の歴史を主体的に考え、伝えられるようになってほしいとの思いから今回の授業を企画したという。平和と命の尊さに対する祖先の遺志を受け継ぎながら「平和のために自分に何ができるか考えることのできる人になってほしい」と児童の成長に期待した。