生徒が生徒へ伝える沖縄戦―。糸満中学校(與那覇正樹校長)は14日、全校生徒約470人を対象にした平和学習会を開いた。講師役を務めたのは、教員や語り部ではなく4人の生徒。糸満市が実施する平和ガイド育成研修事業に参加した知識を生かし、同校の近くにある山巓毛(さんてぃんもう)の戦争遺跡などを解説した。同じ学校の生徒から話を聞いた生徒は刺激を受け、次々と手を挙げて感想を述べた。
講師となったのは3年の上原恋芽さん、知念穂波さん、福治茉莉愛さん、2年の上原一路さん。
沖縄戦を身近に感じてもらうため、学徒動員で同年代の子どもが戦闘に参加したこと、生徒の遊び場にもなっている山巓毛に防空監視哨があったことなど、話す内容を厳選した。沖縄戦に関するクイズも盛り込み、生徒の授業参加を促した。
4人から感想を求められた生徒らは「山巓毛がそこまで大事な場所だとは知らなかった」「時間がたつと戦争を忘れてしまうから、次の世代に伝えていきたいと思った」と語った。感想に対して4人も「戦時中の出来事ではなく、身近なことと考えてほしい」「今を戦前にしないために、今を精いっぱい生きてほしい」と返し、生徒同士の対話で学びを深めた。
学習会終了後、4人は「普段過ごしている場所でも戦争の傷跡があるということに注目してほしかった。感想が出るか心配だったけど、たくさん出たので良かった」と話した。