【東京】国内の文筆家ら表現者約1500人でつくる日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は21日、「沖縄県慰霊の日にあたって~政治に言葉を取りもどし、辺野古新基地建設の見直しを求める」と題した声明を発表した。
日本ペンクラブが名護市辺野古の新基地建設問題について声明を発表するのは初めて。県民の理解を得ぬまま工事を強硬に進める政府の姿勢を踏まえ「近年の政治と行政の場において一段と民主主義の基本である言葉の重要性が失われていることを危惧する」とし、県民の民意と向き合って新基地建設の見直しを求めた。
声明では「軍事最優先の施策が戦争の惨禍を生み、沖縄においては住民虐殺や集団自決の悲劇すら生んだことをどう考えているのか」「政府はいつまで、米軍機が昼夜を分かたず沖縄の空を飛び、軍用車両が我がもの顔で道路を走り回ることを許容するつもりなのか」などと列挙し「この疑念に、日本政府は一度もまともに答えたことがない」と疑問視した。
こうした政府の姿勢が先の大戦につながったとし「私たちはこの歴史を繰り返すわけにはいかない」と強調した。
23日の「慰霊の日」に合わせ「アジア太平洋戦争の犠牲となった多くの命を悼み、二度とこのような惨禍を繰り返さぬよう、あくまで言葉と表現の力で平和を希求する」と決意を新たにした。