恒久平和願い沖縄で戦没者追悼式 知事、英語とウチナーグチ交え世界の平和構築誓う


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世界の恒久平和を願い黙とうする参列者=23日正午、糸満市摩文仁の平和祈念公園

 沖縄は23日、沖縄戦の組織的戦闘が終結したとされる「慰霊の日」を迎えた。最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、県と県議会の主催で「沖縄全戦没者追悼式」が開かれた。住民を巻き込んだ悲惨な地上戦となった沖縄戦から74年。20万人余の戦没者を追悼し、恒久平和を願った。

 平和祈念公園には早朝から多くの遺族が訪れ、亡くなった家族らに思いを寄せた。2019年度に新たに追加刻銘された42人を含む24万1566人の名前が刻まれた「平和の礎」には、花を手向け、手を合わせる人の姿が目立った。

 玉城デニー知事は平和宣言の一部を共通語に加え、ウチナーグチと英語で述べ、平和な世界構築の決意を表明した。ことし2月に実施された名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票で、多くの県民が埋め立てに反対したことにも言及し、民意を尊重するよう訴えた。

 追悼式には安倍晋三首相や関係閣僚、衆参両院議長らが参列。正午の時報に合わせて参列者が黙とうを捧げ、県遺族連合会の宮城篤正会長(77)が追悼の言葉を述べた。

 平和宣言の後、糸満市立兼城小6年山内玲奈さん(11)が平和の詩「本当の幸せ」を朗読した。各地で慰霊祭が執り行われるほか、県遺族連合会による平和行進や、平和祈念資料館の無料公開などがある。沖縄は鎮魂の祈りに包まれている。