「“震える少女”に話を聞きたい」 沖縄の若者たちが浦崎末子さんに聞き取り 「下の世代に語り継ぐ」


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浦崎末子さん(中央)から戦争体験の聞き取りを行った比嘉雅文さん(左)と前川涼さん=7日、豊見城市

 米軍が撮影した沖縄戦の記録映像に収められ、沖縄戦を取り上げた映像作品でも映し出されてきた「震える少女」。戦後74年を経て名乗り出た浦崎(旧姓・賀数)末子さん(81)について報じた本紙記事が、浦崎さんと10代の若者を結び付けた。記事を読んだ那覇看護専門学校1年の比嘉雅文さん(18)=沖縄市高原=と前川涼さん(19)=那覇市小禄=が7日、浦崎さんを訪ねて沖縄戦の体験を聞き取り、非戦の思いを新たにした。

 比嘉さんは「慰霊の日」の6月23日の本紙紙面に掲載された浦崎さんについての記事をインターネットのニュースサイトを通じて読み、興味を持った。「映像で見覚えのある少女が生存していたことに衝撃を受けた。ぜひ話を聞いてみたいと思った」。浦崎さんの体験を聞き取り、看護学校の一般教養の授業で提出するレポートの題材にしようと思い立ったという。

 比嘉さんの申し出を受けた浦崎さんは「若い人たちに戦争の恐ろしさを伝えられれば」と快諾。7日、豊見城市内の親族宅で、同級生の前川さんと共に訪れた比嘉さんと対面した。

 浦崎さんは2人に戦時体験のほか、焦土と化した戦後の沖縄で生活を再建させていく際の苦労話など、約3時間にわたって語った。

 聞き取りを終えた前川さんは「貴重なお話を聞かせていただいた」としみじみ。比嘉さんは「浦崎さんの経験を下の世代にも語り継いでいく」と平和への思いを継承することを誓った。
 (安里洋輔)