任期満了に伴う第25回参院選は21日午後8時に投票箱が締め切られた。4人の候補者が1議席を争った沖縄選挙区は、期日前や当日の出口調査に本紙の情勢取材を加味すると「オール沖縄」勢力が支援する無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)が当選を確実にした。沖縄県民は昨年9月の知事選、今年2月の県民投票、4月の衆院沖縄3区補欠選挙に続き、辺野古新基地建設に「反対」の民意を示し、辺野古埋め立てを推進する安倍政権に「ノー」を突き付けた。
高良氏は、糸数慶子参院議員の後継として「平和の一議席」の継承を掲げ、糸数氏や玉城デニー知事とのセット戦術を展開したことで、課題だった知名度を克服し無党派層を含め支持を広げた。
高良氏は主要争点の米軍普天間飛行場の辺野古移設に「反対」し、普天間の即時閉鎖、撤去を訴えてきた。新たな県選出国会議員として新基地建設阻止に向けて行動していく。高良氏が当選を確実にしたことで、玉城県政にとって追い風となり、「オール沖縄」勢力にとっても来年6月の県議選に弾みが付いた格好だ。
沖縄選挙区は、高良氏と、自民新人でシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=による事実上の一騎打ちの選挙戦が展開されてきた。辺野古移設の是非のほか、憲法改正や消費税増税の是非、次期沖縄振興計画の在り方などを巡って激しい論戦が繰り広げられてきた。
開票作業は一部地域を除き午後9時から始まる。県選挙管理委員会によると22日午前0時までには全ての市町村の開票作業が終わる予定で、その後比例代表の開票作業が行われる。比例代表には県内から共産新人で党中部地区委員会副委員長の島袋恵祐氏(32)、自民新人で前衆院議員の比嘉奈津美氏(60)、社民新人で前県議の仲村未央氏(47)の3氏が立候補しており、3氏の当落は22日未明に判明する見通し。【琉球新報電子版】