第25回参院選は21日、投開票が行われ、沖縄選挙区は22日午前0時半現在(開票率99・25%)、「オール沖縄」勢力の支援を受ける無所属新人で琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)が29万8751票を獲得し、初当選した。23万4859票だった自民新人でシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=に約6万票差をつけた。県民は昨年9月の知事選、2月の県民投票、4月の衆院沖縄3区補欠選挙に続き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に反対の民意を明確に示し、埋め立て工事を推進する安倍政権に「ノー」を突き付けた。
高良氏は辺野古埋め立て工事反対を公約の柱に据え、「普天間飛行場は辺野古を埋め立てなくても閉鎖・撤去できる」と訴えたことで、新基地建設反対の県民世論を追い風に支持を広げた。憲法学者として「憲法の理念と平和主義を尊重し権力の暴走を食い止める」として、安全保障関連法の廃止、「建白書」の実現などを訴えた。
翁長雄志前知事が構築した「オール沖縄」勢力の支援を受け、「平和の一議席」を掲げてきた糸数慶子参院議員や玉城デニー知事とのセット戦術が奏功し、課題だった知名度不足を克服した。那覇市など都市部を中心に無党派層にも浸透した。
高良氏と同様、選挙初挑戦となった安里氏は「自公維」の協力枠組みで県議や市町村議員を中心に運動を展開したが、辺野古埋め立ての賛否を明確にしなかったことで、経済界や議員の一部が反発し、序盤から苦戦した。経営者としての経歴や人脈を武器に「半世紀先を見据えた新たな沖縄振興計画の策定」を掲げたが支持は広がらなかった。
投票率は2016年7月の前回参院選の54・46%から5・46ポイント下がり、49・0%だった。補選を除くと全県選挙で沖縄の投票率が50%を下回ったのは初めて。
当日有権者(在外含む)は116万3784人(男性59万6849人、女性56万6935人)だった。