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HY仲宗根泉さん「命は一人のものじゃない」 歌い継ぐ祖母の戦争体験と“命のリレー”


HY仲宗根泉さん「命は一人のものじゃない」 歌い継ぐ祖母の戦争体験と“命のリレー”
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子

 15日は終戦記念日。戦争体験者が高齢化し、戦争体験がない世代が戦争を語り継ぐ時代になっている。バンドHYの仲宗根泉さん(35)は祖母から聞いた戦争体験を元に曲を発表している。そして母になった今、6歳の娘にこの曲と共に祖母から受け継いだことを伝える。それは祖先から続く「命のリレー」だ。

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 戦争の映画では敵味方という描かれ方をするし、幼いとどうしても「どっちが悪い」と考えてしまう。仲宗根さんもそうだったという。しかし、そんな仲宗根さんに対し祖母は「敵味方ではないよ。大事なのはみんな助け合うこと。命が大事だよ。命はみんな平等だよ」と説いた。

 「いつか戦争をテーマに曲を作る時が来たら、おばあの言っていたことを書きたい」と思って温めていたのが、2010年に発表した「時をこえ」だった。

 歌詞の中にはこんな一節がある。「胸に刻みなさい あなたのその鼓動 昔、昔に繋(つな)がるこの命 大切に生きなさい」

 歌詞を書いていた頃、ニュースでは頻繁に自殺者の多さが取り上げられていた。「命とは何か」を考えると、祖母の言葉を思い出した。「私のこの命はおじい、おばあがつなげてくれたもの。自ら命を絶つ人がこんなに多いけど、その命は一人のものじゃない」

 仲宗根さんは祖母から聞いた話と一緒に「時をこえ」を娘に聴かせている。今年、娘は学校の平和学習でガマに入った。その後、歌のモデルにもなった曾祖母に会った娘は「今自分がいるのはおばあちゃんからの命のリレーなんだね。おばあちゃん、戦争を生き抜いてくれてありがとう。長生きしてね」と伝えたという。

 歌を通して伝えたかったこと、学校での平和学習で感じ学んだことが娘の中でつながった。「子どもに伝える『伝え方』が重要。怖い、誰が悪い、傷つけたら駄目ではなく、命は自分だけのものではないことを伝えることなのではないでしょうか」

(玉城江梨子)