「戦争は駄目」が答え 辺野古ドキュメンタリーを制作した米女子高生が元米兵と出会って分かったこと…


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沖縄ブースを訪れたVFPメンバーに、自身が制作した映像作品を紹介する与那嶺海椰さん(右)

 米ワシントン州スポケーンで開催された国際平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP=平和を求める元軍人の会)」年次総会には、沖縄県名護市辺野古の新基地建設について伝えるドキュメンタリー映像「我した島ぬ宝(私たちの島の宝)Our Island’s Treasure」を制作したオレゴン州在住の県系2世の高校生・与那嶺海椰(かいや)さん(17)も初めて参加した。総会を通じて出会った元米軍人たちとの交流や、現在の思いについて聞いた。

 ―元米軍人たちとの出会いで印象的だったことは。

 「こんなにたくさんの元米兵たちと出会ったのは初めて。戦争を経験した当事者たちが強い反戦の思いで全米、世界各地から駆け付けている。『どんなことがあっても戦争は駄目だ』という彼らの声を聞いて、それが答えだと思った。印象的だったのは、沖縄の米軍基地に駐留していたというある男性との出会いで『あなた方の島を占領してごめんなさい。沖縄に駐留していた自分を恥じている』と言っていた」

VFP総会に親子で参加した与那嶺海椰さん(右)と母の緑(もえ)さん

 ―制作した動画はインターネットで無料公開している。どんな反応があったか。

 「再生回数8千回を超えた。動画を見てくれた同級生たちの反応は『米軍が外国の海を埋め立てて基地を造っているなんて知らなかった』という驚き、そして単純に『知らなかった』ではなく権力側に『意図的に知らされてこなかった』のだと気が付いた時の怒りだった。『もっと詳しく教えて』と沖縄の基地問題に関心を持ってくれている」

 「米市民は海外で起きている米軍基地問題に関心がないのではなく、本当に情報が少ないから、知らないだけなのだと思う。これは環境問題、人権問題であり、国籍を問わない問題だと伝えたい」

 ―将来の夢は。

 「まだ全然決まっていないが、市民運動についてもっと学んでみたいという気持ちもあるし、文化人類学や心理学に関心があるのでカリフォルニア大学に入学したいという気持ちもある。憧れの人は、沖縄出身で高校教師の母。母のように、いつも私を支えてくれる強くて優しい人になりたい」
 (聞き手 大矢英代通信員)