命を救ったのは中学生 欄干に足を上げ、橋から飛び降りようとした女性 「一つの命を大事にして」


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
協力して女性の命を救い、感謝状を受け取った上原琉唯さん(左)と具志川楓碧さん=26日、糸満市の糸満中学校

 【糸満】糸満署(金城和郎署長)は26日、糸満市兼城の人道橋から川に飛び込もうとしていた60代の女性を発見して警察に通報し、命を救った糸満中学校(與那覇正樹校長)3年生の上原琉唯(るい)さん(15)と具志川楓碧(ふうあ)さん(14)に感謝状を贈った。始業式の前に全校生徒の前で表彰式が開かれた。ハンドボール部の仲間という2人は「怖かったけど2人だから助けられた」と照れくさそうに笑った。

 上原さんと具志川さんは8月16日、一緒に勉強した帰りに人道橋を渡り、女性を発見した。橋は報得川に架かり、人だけが通れる。最初は女性が釣りをしていると思い素通りした。しかし、釣り竿を持っていないことを不審に思い振り返ると「手すりの上に足を上げて飛び降りようとしていた」という。

 具志川さんはスマートフォンに電話番号を登録していた糸満署に通報した。上原さんは、再度飛び降りようとしていた女性の腰を支えて保護し、警察の到着を待った。上原さんは「『大丈夫ですか』と声を掛けたら無言だった。手が震えていたので自殺しようとしていると思った」と女性の様子を振り返った。

 女性は現在、落ち着いているという。具志川さんは「一つの命を大事にしてほしいと思って助けた」、上原さんも「助けられて良かった」と話した。