名護市辺野古の新基地建設問題を巡り、埋め立て予定海域の大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事を計画する沖縄防衛局が、設計変更業務を委託している業者に対し、設計に当たって米軍との協議を指示していることが21日までに分かった。情報公開請求で資料を入手した土木技師の北上田毅氏は「委託業者が直接米軍と協議するのは異例だ」と指摘し、「米軍にとって辺野古の軟弱地盤が深刻であることが表れている」と述べた。
防衛局は県に提出する設計変更の申請書作成に向けて、現行の辺野古新基地の設計を、大浦湾側の地盤改良工事を組み込んだ設計に変更する「土木基本設計」業務を発注し、8月までに委託先の業者を決めた。
北上田氏は、今年4月に作成された「土木基本設計」業務に関する資料の開示を求めた。開示された資料のうち特記仕様書の中に、委託業者が業務を進める上で「米軍との協議を別途(当初、30%、90%、完成)行うものとする」と指示する記載があり、設計変更の完成までに4回にわたって米軍と協議することを規定している。
沖縄国際大の照屋寛之教授(行政学)は「日本政府の公共事業を米軍に相談することは異常で、それを県民、国民に説明せずに進めていたことはさらに問題だ」と指摘した。