岩ずり運搬「違反」指摘 辺野古 国会で野党ヒアリング


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 【東京】名護市辺野古の新基地建設に関する野党合同ヒアリングが19日、国会内であった。出席議員は、埋め立て土砂(岩ずり)を販売する琉球セメントが鉱業法上の適切な認可を得ていないのではないかと指摘した。経産省の担当者は「個別の施業案(事業計画書)についてはお答えできないが、鉱業法には適合している」と説明したが、施業案の運搬方法に辺野古で現在使われている「岩ずり」の記載がないことを追及されると、回答を避けた。議員らは「書かれていないものが辺野古に運ばれており違反ではないのか」と指摘した。

 鉱山の採掘時には鉱業法に基づき、販売する鉱物を施業案に記載し、沖縄総合事務局から認可を受ける必要がある。平和市民連絡会の北上田毅氏が情報公開請求で入手した琉球セメント安和鉱山の施業案には、運搬方法の項目で「ずり」に関して「該当なし」とのみ記載されている。文書には黒塗りの部分もあり、琉球セメントは施業案に「岩ずり」について記載していると説明しているが、運搬方法の項目ではそれが見当たらない。

 19日のヒアリングで、鉱業法を所管する経産省の担当者は、施業案に「岩ずり」の記載があるのかどうかについては、業者の競争上の地位や正当な利益を害する恐れがあることなどを理由に「公にできない」と繰り返した。議員らは「記載の有無は利益の問題ではなくコンプライアンスの問題だ」「かばうのは同罪ではないのか」などと批判した。