辺野古移設促進で意見書提案へ 宜野湾市議会 「辺野古」明記は初 あす可決の公算


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 【宜野湾】宜野湾市議会(上地安之議長)の与党会派は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設促進を求める意見書案を27日の本会議に提案する。25日の議会運営委員会(伊波一男委員長)で報告した。議会事務局によると、移設先を「辺野古」と明記した意見書の提案は初めて。議会は与党多数のため、27日の採決では賛成多数で可決される公算が大きい。

 意見書案は「日米両政府において普天間飛行場の移設先は米軍キャンプ・シュワブ辺野古崎が唯一の解決策としている以上、苦渋の決断の時期と思慮せざるを得ない」と強調。「政府と県の普天間飛行場に関する議論は移設先のみに終始し、当事者である市民が置き去りにされ、不安、危惧を抱かずにはいられない」と指摘している。

 野党会派は辺野古移設に反対する意見書の提案を検討する。野党の桃原功議員(結・市民ネットワーク)は取材に対し「県民投票や参院選で辺野古移設反対の意思が示されている中、辺野古移設による普天間飛行場の返還は非現実的だ」と反論した。

 松川正則市長は辺野古移設について、玉城デニー知事が打開策を示していないとして「容認せざるを得ない」との考えを示している。

 辺野古移設を促進する意見書可決を求める陳情を各市町村議会に提出している「宜野湾市民の安全な生活を守る会」(平安座唯雄会長)は、宜野湾市議会に陳情を提出したが、提案には至らなかった。与党市議の一人は、今回の提案は市長の容認発言と、陳情が採択されなかったことが背景にあるとしている。