北海道から沖縄に… 運転手確保で第一交通産業が取った策は


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北海道から応援に駆け付けた第一交通産業グループの運転手と札幌第一交通の西本厚三社長(前列中央)、那覇バス、琉球バス交通の小川吾吉社長(同左から5人目)=25日、南風原町の那覇バス新川営業所

 第一交通産業グループが運営する那覇バス、琉球バス交通が、深刻化する人手不足問題を解消するため、昨年からグループ間の連携で沖縄に運転手を派遣する取り組みを始めている。同グループ北海道地区で大型二種免許を持つタクシー運転手を沖縄に招き、修学旅行の対応が増える10~12月中旬の人材確保に充てている。

 第一交通産業グループの北海道地区は昨年7人、今年は昨年も参加した5人を含む14人を沖縄に派遣した。札幌第一交通の西本厚三社長は「北海道も乗務員不足はあるが、沖縄は観光関連の対応も多く特に深刻な状況だ。同じグループとして協力したい」と語った。

 今回、沖縄に来た運転手は全員、旅客バスの運転が可能な大型二種免許を持っているが、普段はタクシーに乗務している。沖縄で十数日間、バスの研修を受けた後、現場に出る。

 那覇バスと琉球バス交通の小川吾吉社長は、修学旅行と観光の事業に対応しつつ路線バスを運行することに難しさを感じていた。小川氏は「人手不足が全国で問題となる中、繁忙期の10月から12月に人を送ってもらいとても助かっている。沖縄側も独自で運転手を確保できるよう、行政や関係団体の力を借りて努力したい」と述べた。