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沖縄8社がボリビアで事業説明や商談 小型焼却炉の技術に関心、今後に期待も


沖縄8社がボリビアで事業説明や商談 小型焼却炉の技術に関心、今後に期待も オキナワ移住地入り口で記念撮影をする沖縄の企業関係者ら=ボリビア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国際協力機構(JICA)が中南米の日系社会と連携しながら、事業展開を目指す企業を現地に派遣する「第10回中南米日系社会との連携調査団」がこのほど、ボリビア東部サンタクルス市を訪れた。日系企業などとのビジネス商談会や個別企業訪問を実施した。調査団に参加した沖縄県内8社の代表者が事業概要や今後の戦略などを説明し、商機を探ろうと多くの商談や情報交換が行われた。

 調査団には、アンデスファーム(金武町)、EFポリマー(恩納村)、HPC沖縄(浦添市)、沖縄映像センター(那覇市)、かねひで総合研究所(同)、トマス技術研究所(うるま市)、那覇青果物卸商事業協同組合(那覇市)、リュウクス(うるま市)の8社が参加した。

 小型焼却炉チリメーサーの販路拡大を目指すトマス技術研究所は、建設業会議所とSENASAG、APRISA(農牧畜産関連商品サービス提供企業協会)などを訪ねた。インドネシアの病院や国内で導入実績がある同製品を廃棄物処理の設備として提案し、訪問企業の概要や現在の処理量、状況を聞き取った。

 狂犬病検体や家禽(かきん)類、畜産の検体が運び込まれるSENASAGは、新たなラボ建設に当たり、必要とされる焼却炉の機能として「煙が出ない、ダイオキシンの排出を低量に抑える」という性能に関心を寄せていた。

 APRISAでは残留農薬を回収しているが、液体も燃焼できる技術に注目。国連食糧農業機関(FAO)の勧告で農薬の燃焼は1200度が示されているため、チリメーサーの燃焼温度の性能を向上させる必要性があるものの、農薬焼却の無害化と燃焼条件をクリアすれば導入が可能だと高い関心を示していた。

 現地での調査や視察、聞き取りの結果、トマス社の担当者は「ペルーでは小型なので少量しか焼却できないという部分がネックとなっていたが、ボリビアでは可能性を感じることができた」と今後の連携に期待した。

 調査団はオキナワ移住地も訪問し、オキナワ農協(CAICO)やパスタ工場、周辺農地を視察した。同移住地では2021年に、収穫された全脂大豆20トンが牛の飼料として初めて沖縄県に輸出された実績があることから、ボリビアと沖縄のビジネス関係構築に高い関心が示された。(安里三奈美通信員)