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宮崎監督作品、Gグローブ賞 「君たちはどう生きるか」 日本人初、アニメ部門


宮崎監督作品、Gグローブ賞 「君たちはどう生きるか」 日本人初、アニメ部門 映画「君たちはどう生きるか」の1シーン(スタジオジブリ/GKIDS提供、AP=共同)
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 【ロサンゼルス共同】米アカデミー賞の前哨戦と位置付けられる映画賞「第81回ゴールデン・グローブ賞」の発表・授賞式が7日、西部カリフォルニア州ビバリーヒルズで開かれ、宮崎駿監督の長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」がアニメ映画賞を受賞した。2007年に設けられた同賞を日本人監督作が受賞するのは初めて。

 3月のアカデミー賞にノミネートされるかどうかに注目が集まる。宮崎監督作では「千と千尋の神隠し」が03年に同賞長編アニメ賞を獲得した。

 宮崎監督は授賞式に姿を見せなかった。「君たち―」を製作したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「本当にうれしく思う」との談話を発表。能登半島地震の被災地の痛ましい状況に触れ、少しでも笑顔を届けられたらと述べた。

 作品の舞台は戦時中の日本で、主人公は火災で母親を亡くした少年。父親の再婚相手となる女性が行方不明となって捜す中、アオサギの案内で不思議な世界に迷い込むストーリーだ。作曲賞には音楽を手がけた作曲家の久石譲さんがノミネートされていたが、受賞は逃した。

 作品賞は、ドラマ部門が原爆開発を主導した米物理学者の伝記映画「オッペンハイマー」、ミュージカル・コメディー部門はベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作「哀れなるものたち」が受賞。新設の「興行成績賞」はバービー人形が題材の「バービー」が獲得した。

 マーティン・スコセッシ監督の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」に出演した米先住民出身の俳優リリー・グラッドストーンさんは、ドラマ部門の主演女優賞に輝いた。米映画誌によると、先住民出身の俳優がゴールデン・グローブ賞を手にするのは初めて。