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<アジア・海外通信員>ボリビア 県系人が教員として貢献 1970年開校、首都の日本学校


<アジア・海外通信員>ボリビア 県系人が教員として貢献 1970年開校、首都の日本学校 ラパスボリビア日本文化財団日本語普及学校で長年日本語指導にあたった古木良子さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ボリビアの首都ラパスにある「ラパス日本語普及学校」。ボリビアで日本語を学習する機会を提供し、日本文化に触れることのできる貴重な場所として引き継がれている。ラパスはサンタクルス県にあるオキナワ移住地から飛行機で約1時間。沖縄出身者が少ない都市だが、同校の教員として日本語学習に携わってきた県系人がいる。

 同校設立初期の1973年から日本語教員として指導してきた古木良子さん(旧姓、安里)さんは、父・安里嗣幸さん、母・静子さんと一緒に、54年に琉球政府のボリビア第2次移民団としてオキナワ移住地に入植した。仕事を機にラパス市に定住後、日本語教員として日本語の向上や文化普及に多大な貢献をし、2005年に在ボリビア日本国大使から永年功労者表彰を受けた。

 コロニアオキナワ出身で県系2世の幸地勝子さん(旧姓、比嘉)は、仕事でラパスに暮らしていた1986~87年に教員を務めた。その年は通知表が初めて発行され、運動会を初開催した。

 同じくコロニアオキナワ出身で県系2世の岸本静乃さんは1990~91年に教員を務めた。第1回校内お話大会が実施された年だった。退職後は在ボリビア日本国大使館で働いた。

 古木良子さんの次男・英爾さんは、2013年から日本語教員を務め、22年から普及校校長に就いている。今年で教員として10年目となる。

 同校は、日本語普及や日本文化紹介を目的に1970年に開校した。正式名称は「ラパス、ボリビア日本文化財団日本語普及学校」。2008年に法人格を取得し、ラパス、ボリビア日本文化財団が運営する。生徒は、非日系人を含むボリビア国の一般人が対象だ。現在は子供部門で24人、成人部門で168人が在籍する。

 (安里三奈美通信員)