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ジェンダー平等教育、台湾が先進的な理由とは 陳月端氏(高雄大学長)に聞く


ジェンダー平等教育、台湾が先進的な理由とは 陳月端氏(高雄大学長)に聞く 台湾のジェンダー平等教育の特徴や実践例などについて語る国立高雄大学の陳月端学長=28日、那覇市旭町の県立博物館
この記事を書いた人 Avatar photo 高江洲 洋子

 28日に県立図書館で開かれた県男女共同参画シンポジウムで台湾・国立高雄大学の陳月端(チンユエチュエン)学長が講演した。陳学長の専門分野のひとつがジェンダーと法律。陳学長にジェンダー平等教育の先進地である台湾の政策の特徴と実践例を聞いた。 (聞き手・高江洲洋子)

―台湾がジェンダー平等教育を重視するようになったきっかけを聞かせてほしい。

 「1995年に開かれた国連の世界女性会議で、男女平等を達成するための世界戦略として『ジェンダー主流化』が採択された。台湾は国際基準に準拠し、国内における実践として男女平等教育法、職場における男女平等法、性的嫌がらせ予防取締法、女性差別撤廃条約施行法などを制定した。男女平等の関連では、幼い頃から男女平等の意識を高めることを重視し、教育内容に性教育、異なる性への理解、性的暴力の防止、セクハラ・性的いじめの予防を含めている」

 ―学校ではどのように実践されているのか。

 「小中学校のカリキュラムに男女平等教育が位置づけられ毎学期少なくとも4時間は実施されている。大学のジェンダー関連科目も充実している。一方で性別の多様性の尊重を教え、LGBTの権利を保護している。また、教員と未成年の学生の恋愛を厳しく禁じており、学生が成人でも先生が教師という立場の権力を利用して恋愛をしてはいけないと定められている」

 ―台湾では2020年1月の国政選挙で女性議員の割合は41・6%まで上昇し、この20年間で倍増した。一方の日本は21年10月の衆院選で当選者に占める女性の割合は9・7%にとどまる。台湾で急速な意識改革・変革ができたのはなぜか。

 「学校教育や政治、政府機関、社会のあらゆる場面でジェンダー意識を高めるために、法律や政策を通して(性別平等を)義務付ける仕組みを整えている。女性が政治参加できるように、地方議員選挙で一定議席を女性に割り当てる制度を取り入れている。政策を定めた後も定期的にチェックし、(必要に応じて)改正し、ジェンダー平等の浸透を図っている」

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