【竹富】竹富町の訪問税(仮称)導入について協議してきた審議委員会(委員長・青木宗明神奈川大学教授)は12日、1人当たりの徴収額を「2千円が適当」とまとめた報告書を町役場で前泊正人町長に手渡した。使い道を定めず徴収する法定外普通税とする。町は15日から各島で住民説明会を開き、パブリックコメントも募集する。住民や事業者らの声を精査し、町議会3月定例会に条例案を提出する。
審議委員会は11日に最終の3回目の会合を開き、案をまとめた。町に千円、2千円、3千円の三つの案を提示し、千円は「最低限の行政需要」にしか充てられず、3千円は「各島の産業や住民生活への影響が大きい」とした。2千円は防災施設の整備などを含め「持続可能な観光地」を維持できるとして「適当」だと判断した。どの額にするかは今後、町が決める。徴収方法は船賃に上乗せする案が有力。
法定外普通税の訪問税の全国初導入となった広島県廿日市の「宮島訪問税」の徴収額は1人100円。青木委員長は宮島の額が低すぎるとの見解を示し、竹富の2千円については「正しい理屈に基づき適正」だと強調した。「高いのか適正なのか、今後の試金石になる」と述べ、竹富の額が全国へ波及する可能性を示唆した。
審議委員会は主に県外からの観光客を想定している。町民や町内への通勤・通学者らは非課税。八重山圏域の住民は年払いで5千円などにして負担軽減を図る予定。
前泊町長は訪問税について「島々の均衡ある発展のために絶対必要だ。住民の声を聞いてしっかり判断していく」と述べ、導入に向け意欲を示した。
(照屋大哲)