子どもや家族の悩み抱え込まないで 相談、一時預かりも 児童園が支援施設を開所 5月1日より沖縄市で


子どもや家族の悩み抱え込まないで 相談、一時預かりも 児童園が支援施設を開所 5月1日より沖縄市で 地域の人々が集うよう用意された交流室。キッチン機能も備えており、畳座、洋間など、集う人がリラックスできるよう配慮されている=24日、沖縄市知花の児童家庭支援センター「美ら虹」
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 【中部】沖縄市の児童養護施設・美さと児童園(前川英伸園長)が5月1日、同園敷地内に児童家庭支援センター「美ら虹」をオープンする。2階建てで、子どもやその家族の相談を社会福祉士が受け付ける相談支援、地域の人々が気軽に集える交流室の提供に加えて、子どもを短期間預かるショートステイ機能を備える。

 虐待や育児放棄、ヤングケアラーなど子どもを取り巻く環境は厳しく、保護者を含め当事者は悩みを抱えて孤立することが多い。近年、国は児童養護施設に対して、地域の子育て世帯にも支援の輪を広げるよう求めており、美さと児童園はそれに応える形で「美ら虹」を開所する。中部地域に住む、子どもの養育に悩む人々の相談の受け皿となる。

 2階は子どもを短期間預かる子育て短期支援事業所(ショートステイ)専用室となる。病気や育児疲れ、冠婚葬祭などの理由で、他に子どもを預けられない場合に、「美ら虹」と契約を交わした市町村を通して利用申し込みできる。子どもの対象年齢は2歳から18歳未満。1回につき7日間まで宿泊できる。5人まで受け入れ可能で、児童指導員や保育士が待機する。

 1階は児童家庭支援センターとなり、相談支援室と地域住民の交流の場に分かれている。相談支援室では社会福祉士や心理士などの専門家が子どもやその家族、関係機関から相談を受け、それぞれの事情に応じた支援計画を立てる。

 地域交流部屋には、地域の子育て世帯やその上の世代など幅広い人々が集い、憩えるようにと、簡易キッチンを配置したり、畳の間を設けたりした。交流を促すことで、子育ての気づきやノウハウなどを共有し、横のつながりを持たせることが狙い。職員による子育て講座なども実施予定。

 前川園長は「美ら虹」開所の意義を「支援や保護の在り方は多様化しており、そのため相談や預かり、地域交流と機能を一体化させることで、子ども支援の向上につながる」と強調する。また「行政ではなくて民間だからこそ、相談しやすいこともあるはず。美さと児童園のノウハウを生かして、困っている人の孤立を解消したい」と利用を呼びかけた。問い合わせは美ら虹、電話098(979)8805。

 (玉城文)