琉球新報社 家族でアメリカ・ロサンゼルスに旅行に行ってきました。4年ぶりの海外で、沖縄出身の友だちに会うことと、オーガニック食材のスーパー巡りをするのが楽しみでした。
アメリカに住んで20年以上になる友だちは、うちなーんちゅコミュニティーとのつながりが深く、三線を習いはじめ、なんと沖縄の大会で入賞もしていました。ロサンゼルスに住むうちなーんちゅの新年会には500人が参加したそうです。
友だちの話を聞きながら、20年前、私が沖縄から上京した時のことを思い出しました。沖縄出身者と他の地方の出身者を比べると、地元を思う気持ちに大きな差があると気づいたのです。沖縄出身者の多くは、県外でも同郷同士でよく集まり、沖縄の食べ物を見つけるとうれしくなり、「将来もし子どもができたら、子どもが沖縄のことを知らなかったら嫌だよね。だから伝えたいね」と語り合いました。
しかし他地域の出身者は「そこまで際立ったものもないし、伝えようとまでは思わない」と言う人が多かったです。沖縄の多くの人は沖縄を誇りに思い、食や文化が恋しくなり、それを引き継いでいく力があるのですね。世界中どこにいても、自分のルーツを大切にし、つながり続けているうちなーんちゅに感動し、自分が沖縄出身であることが改めてうれしくなりました。
円安の影響もありますが、アメリカの物価は日本の約2倍。最低賃金は約2千円ですが、生活が厳しい人も多く、ホテルの従業員たちが給料アップを求め、早朝にホテル前でデモをしていました。家賃や保育料をはじめあらゆる生活費が高いですが、一番驚いたのは医療保険代。家族4人だと毎月約15万円かかるそうです。日本の医療保険制度は大切だと改めて思いました。
私は買い物を楽しみたかったのですが、日用品もお菓子も、日本からネットで買うのと値段がさほど変わりません。むしろアメリカで買う方が高いものもあり、買いたいものを厳選しました。ファストフードでも1人千円はかかり、家族4人でレストランでランチをすると優に1万円は超えます。ディズニーランドの入園料は1人約2万円。日本に来た旅行者が爆買いしていくのがうなずけます。でも私が20年前に留学していた時によく行った、新鮮な食材だけを使ったハンバーガー屋さんに行ったり、8件ものスーパーを巡ったりして楽しみました。旅の話は次回も続きます。
いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。
