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沖縄県の「こども計画」で有識者会議 中学校の給食無償化に「唐突」の批判も


沖縄県の「こども計画」で有識者会議 中学校の給食無償化に「唐突」の批判も 沖縄県庁(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 沖縄県が子ども関連の施策を全庁的に推進するため策定する「県こども計画(仮称)」の素案たたき台が4日、県庁であった第1回県こども・子育て会議で初めて示された。計画では「誰一人取り残さないこどもまんなか社会」の実現を目指す。中学校の給食無償化については、記述の修正か削除を求める意見も出た。

 こども計画は本年度内に策定する予定。子どもの貧困や少子化、不登校やひきこもりなど幅広い課題についての施策を一本化し、全庁的な連携を強化して対応にあたる。

 会議の委員は、教育や福祉、医療、行政などの関係者ら51人。計画策定に向けて審議する。この日、本村真・琉球大学教授が会長に選ばれた。

 会議では、保育所の待機児童の地域格差について検証や評価をすることや、虐待を受ける子やヤングケアラーに保護者も含めた意見聴取をするなどの提案が相次いだ。

 また、中学生の給食費無償化についての記述をめぐり、市長会副会長として出席した松本哲治浦添市長が厳しく批判する場面もあった。

 無償化については玉城デニー知事が5月24日、「全面的に無償とする市町村に対し、費用の半分を県が補助する」と発表。たたき台にも「中学校の給食無償化に取り組む市町村を支援していく」との記述がある。

 これに対し、松本市長は「知事は事前の相談なく唐突に、市町村の財政状況を考慮せずに発表した」と批判。たたき台の記述を削除するか、「全ての市町村と連携協力し、支援していく」と変更するように求めた。

 県は委員から文書でも意見を募る。今秋にある第2回会議で、委員の提案を踏まえた素案を提示する。本村会長は「現場の意見を反映させた計画にしたい」と抱負を語った。

 (宮沢之祐)