「第1回県ハンセン病問題シンポジウム」が10月18日に琉球新報ホールで開催される。県ハンセン病問題解決推進協議会が14日、県庁で開かれ、シンポのあり方について意見を交わした。ハンセン病回復者らへの差別や偏見の現状を踏まえ、「回復者が当たり前に暮らせる社会を」との目標を明確にすることを確認した。
同協議会はハンセン病問題の全面的解決を図ろうと2022年に発足。当事者や行政、支援者、専門家らで構成し、啓発と、回復者や家族の生活支援に取り組んでいる。
この日、沖縄ハンセン病回復者の会共同代表の平良仁雄さん(85)は「親が回復者だからと離婚に追い込まれた子どももいる」と指摘。差別の背景に、かつての無らい県運動があるとし「(患者の密告など)無らい県運動は県民一人一人がした。まず責任をかみしめてほしい」とも述べた。
出席した家族は、家族対象の補償制度について「夫や子どもにも隠している人がいる。受け取っても何のお金かと説明できない」と申請をためらう厳しい現状を訴えた。
神谷誠人弁護士は、補償の申請を機にハンセン病の歴史や本人の苦労を家族に初めて語った例を紹介。「一人で悩まず、専門家と共に解決していこうというメッセージをシンポで送りたい」と語った。
(宮沢之祐)