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ハンセン病実録映画上映 宮古島で人権市民ネット


ハンセン病実録映画上映 宮古島で人権市民ネット ドキュメンタリー映画「一人になる」を鑑賞する来場者ら=28日、宮古島市中央公民館
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 【宮古島】ハンセン病と人権市民ネットワーク宮古は28日、宮古島市平良の市中央公民館で、ハンセン病患者を国の誤った隔離政策から守るために尽力した小笠原登医師の足跡を描いたドキュメンタリー映画「一人になる」を上映した。

 上映会は、10月18日に琉球新報社(那覇市)で開かれる第1回県ハンセン病問題シンポジウムの一環として実施された。

 映画は、小笠原医師が関わった患者や関係者の話を元に小笠原医師がどのように治療や偏見、差別と向き合っていたのかを映し出した。国が実施し、療養所への隔離や強制収容を進めてきた無らい県運動で偏見や差別を助長される中、小笠原医師はハンセン病の感染力が非常に弱いことや、患者が療養所に行く必要がないことを訴え続けた。経済的に厳しい患者には無償で薬を渡すなど、治療にも尽力した。

 ハンセン病と人権市民ネットワーク宮古の亀浜玲子共同代表は「差別・偏見はいまだにあり、ハンセン病だけの問題ではない。シンポジウムを前に多くの人にこの問題について考えてほしかった」と上映の意義を強調した。

 (友寄開)