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月桃精油で抑うつ、頻尿改善 天然資源研究開発センターなど 世界初、臨床試験 沖縄


月桃精油で抑うつ、頻尿改善 天然資源研究開発センターなど 世界初、臨床試験 沖縄 臨床試験の結果を発表した(左から)天然資源研究開発センターの山野亜紀研究員、禹済泰共同代表、サザンナイトラボラトリーの菅谷公男代表=9月27日、那覇市の県庁(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 嶋岡 すみれ

 月桃を使った商品開発に取り組む天然資源研究開発センター(うるま市)などが、一定の成分組成の月桃精油が更年期女性のうつ症状と心因性の頻尿を改善する可能性があることを、世界で初めて臨床試験で発見した。共同研究したのは同センターと排尿障害研究をするサザンナイトラボラトリー(北谷町)、沖縄工業高等専門学校(名護市)。9月27日に県庁で会見を開いて発表した。

 調査は抑うつ状態の閉経期または閉経後の女性ボランティアを対象に、シマ月桃精油、タイリン月桃精油の各20例実施した。いずれか好みの香りを選択してもらい、1日3回、専用の金属容器に入ったアロマストーンに精油を垂らして香りを嗅ぐアロマセラピーを2週間行った。

 セラピーの前後で比較し、被験者が抑うつ状態と感じる程度を10段階で評価した。その結果、平均値はシマ月桃が4.5から3.0に、タイリン月桃が5.0から3.7に改善した。

 また、緊張などの心理的要因により、日常生活に支障を来すほどの頻尿がある心因性頻尿の女性ボランティアには、シマ月桃精油とシークヮーサー精油の各精油で20例、臨床試験を実施。2週間、頻尿になりそうな状況の前にアロマセラピーを行った。

 結果、シマ月桃精油を使った人は昼間の実排尿回数が9.1回から8.7回に減少した。また切迫性尿失禁、残尿感なども有意に改善した。

 天然資源研究開発センターの禹済泰(うぜて)共同代表は「月桃精油の健康効果が認知されることで広く普及につながると思う」と期待した。

 (嶋岡すみれ)