月桃を使った商品開発に取り組む天然資源研究開発センター(うるま市)と国立沖縄工業高専(名護市)は19日、沖縄由来のシマ月桃とタイリン月桃の精油に、ストレスホルモンを低下させるリラックス効果や、頻尿を改善する可能性があるとの臨床試験の結果を発表した。大宜味村で所有する畑で月桃栽培を進め、エッセンシャルオイルなどの製品開発につなげ、国内外での展開を見据える。
天然資源研究開発センターは米ヤングリビングの子会社として2020年に設立。県内でシークヮーサーに含まれるノビレチンの効果に関する研究などに取り組んでいる中部大学大学院(愛知県)の禹済泰(うぜて)教授が共同代表を務める。
月桃精油は香気成分の含有量によって機能性が大きく異なり、一定の成分組成でストレスホルモンを低減させる効果や頻尿を改善する可能性があるとの結果を、動物試験ではなくヒト臨床試験で初めて得た。
23年度のうちに20トンのタイリン月桃の葉からエッセンシャルオイル50リットルを生産する。既に親会社を通じ、1本当たり5ミリリットル入りを6千本をテスト販売した。
24年度には生産を拡大し、シマ月桃を使ったサプリメントのテスト販売も予定する。原料の月桃は大宜味村の自社の畑や県内農家の協力、野生の活用も含め確保する考えで、禹共同代表は「月桃の新たな可能性を開拓し、沖縄の産業の振興につなげたい」と話した。
(當山幸都)