【愛知】愛知県を拠点に美術活動をする団体「美術集団8月」などに所属し、美術家として活動する服部証次さん(73)=名古屋市=が、年内に妻の邦子さんの故郷沖縄県名護市に移住するのを機に8月29日~9月3日まで回顧展を開いた。会場となった名古屋市市民ギャラリー栄には美術仲間や、友人知人ら多くの人が鑑賞に訪れた。地元紙の中日新聞にも紹介された。
服部さんは「全日本職場美術協議会」「日本美術会」などの会員でもあり、平和な暮らしを求め、沖縄の基地問題、東日本大震災で苦しむ東北の人たち、身近な風景などを50年間描き続けてきた。
埋め立てが始まる前の「辺野古の浜」、サンゴの上にブロックが落とされていく「美ら海ブロック」が中央に展示された。
服部さんは高校生の時から油絵を描き始め、信州大学農学部で信州の自然や植物に触れ合いながら絵を描いてきた。沖縄返還運動にも関わった。約20年前に平和ツアーで訪れた沖縄では、地元の人たちが常に基地問題で苦しめられていることに心を痛め、力になりたいとの思いから描いてきた。
「今後は(名護市の)自宅兼アトリエで、収集した国内外の名画の展示会や、美術の会などを行い、子どもたちにも参加してもらいたい」と夢を語った。
(古堅初子通信員)